ホテルニューアカオがそびえ立つのは、熱海屈指の景勝地として名高い錦ヶ浦の険しい断崖だ。荒波が刻んだ海食崖にせり出すように設計された唯一無二の偉容は、日本のリゾートホテル産業の黄金期を象徴する圧倒的なスケールを誇る。
海の上に浮かんでいるかのような建築美を創り出したのは、創業者である赤尾蔵之助氏の類まれな情熱とビジョンだった。巨大な扇状の空間にシャンデリアが輝くメインダイニング「錦」をはじめとする豪快な昭和レトロ建築は、半世紀以上の歳月を経てもなお色褪せない迫力で訪れる者を魅了し続けている。
一時的な休館という試練を経て、現在は株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメントの手によって大規模な再生プロジェクトを完遂。往年の華やかな意匠を丁寧に継承しながら現代の快適性を融合させた空間は、昭和カルチャーに魅せられた若年層から往年のリピーターまで幅広い世代を惹きつける熱海のアイコンとして完全復活を遂げた。