かつてマサイの若者が一人前の戦士「モラン」と認められるためには、ライオンを仕留める儀式が不可欠だった。しかし現在、その刃は生態系を守るための保護活動へと向けられている。
「ライオン・ガーディアンズ」と呼ばれるプロジェクトでは、地元の若い戦士たちがGPSや追跡技術を駆使し、野生動物の位置を把握して家畜との衝突を未然に防ぐプロの保護員として雇われている。観光客をただ案内するだけの受動的なガイドから、自らの土地と生態系の管理主体へ。観光収益が直接コミュニティの学校や診療所の運営費へと還元される「コミュニティ保護区」の試みは、野生動物との共生の成功モデルとして注目を集める。