日本の心臓血管外科学の第一線で活躍し、皇室の手術を手掛けたことでも知られる天野篤医師らは、血管疾患に対する社会全体の防災意識の低さに長年警鐘を鳴らし続けている。どれほど執刀医の技術が高くとも、血管が破裂した状態で搬送されてしまえば、手術室にたどり着く前に心停止を迎える確率が高いためだ。
現代の救急医療システムは、ドクターカーの運用や救急救命士による高度な全身管理によって進化を遂げている。しかし、救命の輪を完結させるのは、現場にいる一般市民の第一報と迅速な診断である。医療技術の進歩を生命の救命率へ直結させるためには、医療者と社会の連携が欠かせない。