山本高広に代表される「織田裕二のモノマネ」は、もはや単なる模倣ではない。眉間にシワを寄せ、極端に声をかすれさせながら放つ「キター!」や「ずっちーな」というフレーズは、実は本人が劇中で言っていない、あるいはそこまで誇張していないセリフも多い。しかし、視聴者の脳内ではそれが「本物以上に本物らしい織田裕二」として固定化されていった。
この現象は、メディア論でいう「シミュラークル(オリジナルなき写し)」そのものである。本物の織田裕二がシリアスな演技を見せる一方で、お茶の間は芸人が作り上げた「記号化された織田裕二」を消費し、楽しんできたのだ。