価値のある500円玉を見つけた際、多くの人が良かれと思って致命的な過ちを犯してしまう。その最たる例が薬品や研磨剤を用いたクリーニングだ。
真鍮ブラシで擦ったり、重曹やピカールなどの研磨材、酸性洗剤に浸して硬貨をピカピカに磨き上げる行為は、古銭査定の現場では「洗粉・加工品」と判定され、美術的・歴史的価値を完全に破壊する致命傷となる。コレクターが求めるのは鋳造当時の自然な経年変化(トーン)やオリジナルの地肌であり、人為的な傷がついたコインの査定額は半値以下に暴落する。汚れが付着していても、絶対に擦らずそのままの状態で保管することが鉄則だ。
また、近年のフリマアプリ利用における法的・規約的トラブルにも警戒が必要である。メルカリやヤフオク!といった大手プラットフォームでは、マネーロンダリング防止や現金売買のトラブル防止を目的として、現行で通用する日本円の紙幣・硬貨の出品が厳しく禁止されている。現行通貨である昭和62年製や新500円玉を無許可で出品した場合、アカウントの利用停止や取引キャンセルといった重いペナルティが科される恐れがある。
さらにネット上では、外国の硬貨を意図的に加工した偽造・変造コインの残滓が紛れているリスクもゼロではない。希少硬貨を適正に換金したい場合は、ネットオークションの個人間取引に安易に手を出すのではなく、日本貨幣商協同組合に加盟している正規のコイン専門店や実績豊富な古銭買取業者へ持ち込むのが最も安全な防衛策といえる。