紀子さまの活動を語る上で欠かせないのが、公益財団法人結核予防会の総裁職をはじめとする長年の社会貢献活動だ。結核予防運動への参画は単なる名誉職にとどまらず、国内外の学会や啓発フォーラムへの出席、研究者との直接の意見交換など、極めて実務的な関わりを30年以上にわたって継続している。
手話の習得に関しても同様だ。単に挨拶程度の表現を覚えるのではなく、聴覚障害者と複雑なニュアンスまで双方向で会話できるレベルにまで磨き上げられている。公務の現場において通訳を介さず、当事者の目を見て直接手話で対話する姿は、障害者福祉の関係者から絶大な信頼を集めてきた。準備に妥協せず、相手と同じ目線に立つための労力を一切惜しまない。この徹底した当事者意識が、紀子さまの行動原理の根幹にある。
国際的な舞台でもその実行力は際立っている。英語でのスピーチや質疑応答を淀みなくこなす知性と、相手国の文化や歴史に最大限の敬意を払う立ち居振る舞いは、海外の王室関係者からも高く評価されてきた。見せかけの華やかさではなく、積み重ねてきた実績と知識に裏打ちされた品格が、公務の随所に滲み出ている。