若隆景の代名詞といえば、土俵すれすれを這うような低い立ち合いとおっつけの鋭さだ。200キロ近い巨漢力士がひしめく幕内において、130キロ台の身体で真っ向から押し勝つ光景は圧巻の一言に尽きる。その勝因の核心は、足裏の接地感覚と股関節の柔軟性にある。
相手の懐へ潜り込む際、頭から突っ込むのではなく、下半身主導で間合いを詰める。これにより、頭を上げさせられても軸がブレず、はず押しへと瞬時に移行できる。怪我の療養期間中に鍛え上げられた体幹の強さが、土俵際での驚異的な残しを生み出しているのだ。一瞬の隙も見逃さず、電光石火のスピードで相手の脇を締め上げる技術体系は、徹底した鍛錬の賜物である。