植木市の出店者は、大阪府内を中心とした近畿圏の植木生産者や造園業者だ。特に東大阪市や八尾市、池田市周辺には、代々植木業を営む家族経営の業者が多い。中には江戸時代から続く老舗も存在する。
彼らの1年は、植木市を中心に回っている。春の市に向けては、前年の秋から仕込みが始まる。剪定、施肥、植え替え。手間暇かけた植物だけが市に並ぶ。ある70代の植木職人は「一つの盆栽を仕上げるのに10年かかることもある。それを見る目のあるお客さんに買ってもらえた時が、一番嬉しい」と話す。
後継者不足は深刻な問題だ。重労働である上、収入が不安定なため、若い世代が敬遠しがちだ。しかし近年、都市部での園芸ブームやSDGsへの関心の高まりを受け、あえてこの世界に飛び込む若手も現れ始めている。30代の若手職人は「植物を育てる技術は一朝一夕では身につかない。だからこそ、この仕事に価値がある」と語る。