絶望的なニュースばかりではない。静岡県や鹿児島県の実証プラントでは、水産研究・教育機構と民間企業が共同で進めてきた「完全養殖」の商業用ラインが本格稼働を開始した。卵から孵化させ、シラスウナギへと育て上げる技術は、長らく「1匹数千円のコストがかかる」と言われ、実用化の壁にぶつかっていた。
しかし、特殊な微細藻類と液状飼料を組み合わせた最新の自動給餌システムの導入により、稚魚の生存率は劇的に向上した。2026年現在、人工シラスの出荷価格は天然シラスの取引価格と肩を並べる水準まで下がりつつある。天然資源に100%依存してきたこれまでのウナギ養殖業にとって、まさにコペルニクス的転換と言える現象だ。