では、なぜ人は「計画を立てられない」あるいは「計画通りに動けない」のだろうか。近年の脳科学や認知心理学の研究は、これが単なる個人の怠慢や甘えではないことを明確に示している。
情報過多が常態化した現代において、脳のワーキングメモリは常に飽和状態にある。先の予定を細かく想定し続ける作業は、脳にとって膨大なエネルギー消費を伴うストレス源だ。つまり、計画を立てずに目の前のタスクに直感で反応しようとする行動は、オーバーロードを起こしかけた脳が自らを守るための自然な防御反応とも捉えられる。また、大人のADHD(注意欠如・多動症)をはじめとする特性の理解が進んだことで、個人の努力不足という精神論からの脱却も進んでいる。