大学側にも言い分はある。少子化によって学生数が激減する中、従来の「終身雇用型」の教授ばかりを抱えていては、大学の経営自体が破綻しかねない。社会のトレンドや技術革新のスピードに合わせ、必要な分野の専門家をタイムリーに配置するには、流動性の高い特任制度が不可欠なのだ。
特にAIやバイオテクノロジー、脱炭素といった最先端分野では、民間企業との共同研究が不可欠だ。企業の資金で設立された「寄附講座」などに特任教授を配属することで、大学は懐を痛めることなく、最新の知見を取り入れることができる。つまり、特任制度は大学が生き残るための「生命線」なのだ。