東京都千代田区神田神保町。世界最大級の書店街であり、名門大学や出版社がひしめくこの街の裏通りに、黄色い看板が威風堂々と掲げられている。総帥・山田拓美氏が創業したラーメン二郎 三田本店から枝分かれし、全国に数々の店舗を展開するラーメン二郎。そのなかでも神田神保町店は、古くからの熱狂的ファンから「聖地の一つ」として特別な敬意を払われてきた。
巷に溢れるインスパイア系の二郎系ラーメンとは一線を画す。丼の底から立ち上る豚骨醤油ラーメンの圧倒的なコク、そしてみりん風調味料とカエシが織り成す中毒性の高い甘辛さ。一度その洗礼を受けた者は、数日も経たないうちに再びこの路地へと引き寄せられる。単なる満腹感を超えた多幸感の正体は、長年寸胴鍋を守り続ける店主の研ぎ澄まされた職人技にある。