唐古・鍵遺跡に関して、ネット上で散見される代表的な誤解が「復元楼閣の内部に入って登れる」という認識です。安全管理および文化財保護の観点から、復元楼閣の内部は通常非公開となっており、外観の鑑賞が基本です。
もう一つの盲点は「遺跡の主要エリアは公園部分だけである」という思い込みです。実は現在の史跡公園として整備されているエリアは集落全体の一部であり、地下には多重環濠の遺構が幾重にも眠っています。田原本町教育委員会による継続的な調査により、環濠の外側にも工房跡や墓域が広がっていたことが確認されています。
さらに、吉野ヶ里遺跡のような大規模な竪穴住居群の建ち並ぶ景観を期待して訪れると、「意外と開放的な芝生広場がメイン」というギャップに驚くことがあります。唐古・鍵遺跡は建物を乱立させて再現するのではなく、地下の遺構を保護しながら当時の地形や植生(クリやコナラの森)を環境ごと体感させるランドスケープデザインを採用している点が大きな特徴です。