特撮ファンに大きな衝撃を与えたのが、2019年放送の『仮面ライダージオウ』完結に伴う主役スーツアクターの勇退発表でした。なぜ彼は、20年近く守り続けた看板を下ろす決断を下したのでしょうか。
引退理由の根底にあったのは、過酷を極める肉体的な負荷と、「平成の終わりとともに次世代へ道を譲る」という美学でした。真夏のアスファルト上や真冬の過酷なロケーションで視界の限られたマスクを装着し、何十キロもの装飾をまとって飛び回る主役スーツアクターの負担は計り知れません。高岩自身、満身創痍の状態で歴代ライダーを演じ続けてきました。
そして何より、『仮面ライダージオウ』という平成ライダーの集大成を完走したことで、名実ともにやり切ったという充実感を得たことが決定打となりました。令和第1作となった『仮面ライダーゼロワン』の主役スーツアクターを後輩の縄田雄哉氏へ託し、自らは敵役の仮面ライダー滅(ホロビ)を演じて若手の壁として立ちはだかるなど、見事な世代交代のバトンタッチを成し遂げたのです。