木製バットに近い低反発ギアが導入されて以降、高校野球の攻守の力学は劇的な変化を遂げた。一発で試合をひっくり返す長打に頼る時代は終わりを告げ、単打の連なり、バント処理の正確さ、そして走塁の判断力が勝敗の8割を決める。今季のトップ校たちはいずれも、打率3割5分以上を記録しながらも、チーム本塁打数はかつての半分以下というデータがそれを物語る。
「1点をもぎ取る技術」において群を抜くのが、北信越の代表校だ。内野安打を誘発するセーフティバントの成功率は4割を超え、相手のわずかなファンブルを見逃さずに次の塁を狙う。派手さはないものの、相手投手をジワジワと追い詰めるプレッシャーは、甲子園という大舞台でこそ真価を発揮するだろう。