作業中、蜘蛛の巣のように細い樹脂が伸びて作品や作業台にまとわりつく「糸引き」。見た目を損なうだけでなく、精密なハンドメイド作業において大きなストレスとなります。
この糸引きを劇的に抑えるプロのテクニックが「円を描くノズルさばき」です。グルーを目的の場所に押し出した直後、そのまま上に引き上げるのではなく、ノズルの先端で接着箇所に小さな「の」の字を描くようにクルッと一周させ、ノズルの熱で糸を焼き切るように離します。ノズル先端を素材の端に軽く擦り付けるようにスライドさせるだけでも、糸の発生を最小限に封じ込めることができます。
万が一、余計な場所に糸が付着してしまった場合は、無理に指で引っ張らず、ドライヤーの温風を一瞬当てるのがベストです。極細の糸だけが熱で瞬時に縮んで消え去り、作品の表面を綺麗に保てます。
また、位置を間違えて接着してしまった際のリカバリーには、薬局やホームセンターで手に入る「無水エタノール」が威力を発揮します。
グルーはエタノールに対して化学的に溶解するわけではありませんが、樹脂と接着面の境界にエタノールが浸透すると、接着界面の結合が一気に断たれます。綿棒やスポイトでグルーの隙間にエタノールを少量流し込み、数秒待ってからマイナスドライバーなどを差し込むと、素材を傷めることなく「ペロッ」と綺麗に剥がすことが可能です。木材や硬質プラスチックなど、力任せに剥がすと表面が破損するリスクが高い素材で重宝するテクニックです。