リコーダーのファのシャープが出ない?裏返る原因と正しい運指を徹底検証

リコーダーのファのシャープが出ない?裏返る原因と正しい運指を徹底検証

リコーダーのファのシャープが出ない?裏返る原因と正しい運指を徹底検証について見逃せない 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。

リコーダー選びと運指において、日本国内で最も根深い混乱を招いているのがジャーマン式とバロック式の違いです。手元のリコーダーの背面に刻印された「G(ジャーマン)」または「B(バロック/イギリス式)」の文字を確認したことがあるでしょうか。

歴史を遡ると、1920年代のドイツでペーター・ハーラン氏が「ハ長調のファ(F)を左手3本+右手1本だけで簡単に出せるように」とトーンホールの位置と大きさを改造したのがジャーマン式の始まりです。昭和中期の小学校リコーダー指使い解説や文部科学省の音楽科指導計画において、ハ長調主体の教育カリキュラムを迅速に進める利便性から、日本の小学校にはジャーマン式ソプラノリコーダーが一斉に普及しました。

しかし、この簡略化には大きな代償が伴いました。ファ(自然音)を容易にした結果、リコーダー半音の指使い、取り分けファのシャープや嬰ハ音(C#)の音響設計に致命的な歪みが生じたのです。ジャーマン式で低音F#を吹くと、ピッチが極端に上ずったり、逆にぶら下がったりして平均律から20〜30セント近く外れる現象が頻発します。

一方、古楽器の伝統を受け継ぐバロック式は、ファの自然音を出すためにフォーク運指(右手の中指を離す)を要するものの、半音階全体の音程バランスが極めて正確です。中学校で導入されるアルトリコーダーのほぼ100%がバロック式であるため、小学校でジャーマン式に慣らされた児童が中学進学時に混乱に陥る構造的トラップが長年指摘されています。

森 瞳
Author

森 瞳

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。