政府からの要請を受けて急遽調達に動いた民間企業側の視点も看過できない。興和株式会社や伊藤忠商事株式会社といった主要な受注企業は、グローバルなサプライチェーンをフル活用し、短期間での量産と輸送に奔走した。感染拡大による世界的ロックダウンが頻発する中での調達作業は、企業にとっても極めて異例かつハイリスクな案件であった。
企業側は政府要請に応じる形で迅速な物資確保に貢献したものの、納品後の品質問題を巡り世論の厳しい批判に晒されることとなった。官民連携による緊急物資調達の難しさと、国家的な危機における民間企業の協力体制をいかに適正に評価し保護すべきかという新たな課題が、この事例から浮き彫りとなっている。