42.195kmという長大な距離を攻略するために、最新のスポーツ科学に基づいたペース配分を知ることは不可欠だ。かつて主流だった「前半に貯金を作り、後半の失速に備える」という発想は、現代のマラソン理論では完全に否定されている。前半のオーバーペースは筋肉内のグリコーゲンを急速に枯渇させ、30km以降の大失速を招く元凶となるからだ。
2026年のトレンドとして定着しているのが、前半をわずかに抑え気味に入り、後半にペースを維持または微増させる「ネガティブスプリット」または「イーブンペース」戦略である。
初完走(制限時間6時間〜7時間)を目指すなら、キロ7分30秒から8分00秒の一定ペースをキープし、給水所ごとに確実に立ち止まって深呼吸を入れる設計がベストだ。市民ランナーの大きな壁である「サブ4(4時間切り)」を目指す場合は、キロ5分35秒〜5分40秒の巡航速度をブレずに刻み続けることが求められる。最新の厚底シューズの反発特性を活かすためにも、序盤で脚のバネを使い切らないスマートなペースコントロールが勝敗を分ける。