中津市およびその周辺エリアは、大手自動車メーカーの生産拠点を中心とした有数の自動車産業集積地だ。しかし、2026年の現在、ガソリン車から電動化車両へのシフトは不可逆の波となり、Tier 2、Tier 3と呼ばれる下請け部品メーカーを直撃している。エンジン関連の金属加工を手がけてきた小規模事業者は、受注減少のリスクに直接さらされているのが現状だ。
こうした事態に対し、地元の加工技術を次世代モビリティや医療機器、さらにはロボティクス分野へ転用するための専門チームが組織された。単に「新しい仕事を脱エンジンで探す」という抽象論ではない。最新の数値制御工作機械を導入するための補助金獲得から、試作品の評価体制構築まで、具体的かつ実践的なライン転換を後押しする。工場床面の油の匂いはそのままに、削り出される部品の精度と用途が劇的に変わりつつある。