スマートフォンをポケットにしまい、ただ目の前のグラスと空間に向き合う。そんな「デジタルデトックス」を密かに提案する店舗が増えているのも、今の清澄白河を特徴づけている。
照明はろうそくの火や最小限の間接照明のみ。店内にはヴィンテージのアナログレコードから流れる暖かく太いサウンドが満ちている。SNSの通知音に追われる日常から離れ、暗がりの中で氷の溶ける音に耳を澄ませる。ここでは、何もしないこと、ただその場に存在すること自体が最高の贅沢となる。効率主義の現代社会に対する静かなアンチテーゼが、この街の夜には流れている。