本作の最大のフックである「でかい」という言葉の真意について、初見の読者は様々な想像を巡らせます。しかし、物語の幕が開いて提示されるのは、純粋に身長2メートル級・筋骨隆々の巨躯へと急成長を遂げた弟の姿と、その圧倒的威圧感とは裏腹な「無自覚なピュアさ」という鮮烈なギャップです。
物語は、主人公である姉が「うちの弟マジでかいんだけど見にこない?」と軽いノリで友人を自宅に招くところから始まります。招かれた友人は、扉を開けた瞬間に視界を覆い尽くすほどの巨漢弟・蓮(れん)と対面し、言葉を失うほどの衝撃を受けます。しかし、威圧感抜群の外見に反して、弟の内面は礼儀正しく、照れ屋で、姉とその友人を甲斐甲斐しくもてなす心優しい好青年でした。
ストーリーが進むにつれ、物語は単純な出オチの一発ネタから、姉の友人と弟の間で静かに育まれるじれったい恋愛模様へとシフトしていきます。友人視点で描かれる「巨大な弟に翻弄されつつも、ふとした瞬間に見せる無邪気な笑顔や男らしさに胸が高鳴る瞬間」の描写は、ラブコメディとしての完成度を一段上のステージへと押し上げました。
結末に向けた最新の展開では、弟の進路決定や一人暮らしへの移行を契機に、これまで曖昧に保たれていた「姉の友人」という心理的バウンダリーが大きく揺らぎ始めます。互いの好意を自覚した二人がどのような結論を出すのか、クライマックスへ向けた緊張感と多幸感が同居するエピソードが読者の熱狂を呼んでいます。