栗東トレーニングセンターの坂路やコースで、早朝から精力的に追い切りをこなす鮫島克駿の姿は日常の風景だ。しかし、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかった。若手時代の試行錯誤、思うように結果が出ない時期の焦燥感。それらを打ち破る原動力となったのが、同じ騎手として背中を見せてくれた兄・鮫島良太の存在である。
「兄の姿があったからこそ、プロとしての厳しさと競馬に対する誠実さを学べた」と彼は語る。競馬一家のDNAを受け継ぎつつも、甘えを一切排除した自己規律。栗東での泥臭い努力の積み重ねが、勝負どころでの一歩の伸びを生み出している。