2015年夏、彼女を襲ったのは右胸の激しい痛みと違和感だった。検査の結果、告げられたのは乳がん。しかも腫瘍の大きさは直ちに手術を要するレベルだった。リンパ節への転移も認められ、右乳房全摘出という苦渋の決断を迫られた。
かつてリング上でどんな強敵の技も受けて立った「リングの男勝り」が、病室でひとり涙を流す。執刀医から示された選択肢の中で、彼女が選んだのは生きて家族のもとへ戻ることだった。手術後には抗がん剤治療による脱毛や激しい倦怠感、全身の痛みが襲いかかった。髪が抜け落ちていく鏡の前で立ちすくむ日もあった。しかし、自身の闘病記を公式ブログで包み隠さず発信し続けた姿勢は、同じ病に苦しむ全国の患者たちに大きな勇気を与えたのだった。