SNSや動画投稿サイトでは、「脱ぎたての靴下」「1日履いたスニーカー」「飼い主の脇や足の裏」を嗅いだ猫が激しくフレーメン反応を起こす動画が定番コンテンツとして人気を博しています。
ネットコミュニティでは「飼い主の足が臭すぎて猫がフリーズした」「愛猫に靴下を嗅がせたら魂が抜けた顔になった」といった飼い主の自虐混じりの投稿が日々盛り上がりを見せています。しかし、なぜ猫はあえて人間の排泄臭や汗の匂いに吸い寄せられるのでしょうか。
その理由は、人間の足の裏や脇の下から分泌される汗や皮脂の分解成分にあります。皮膚の常在菌が皮脂を分解する際に生じる「イソ吉草酸(短鎖脂肪酸)」や、アポクリン汗腺から出る分泌物には、哺乳類の性フェロモンや縄張りマーキング物質と分子構造が酷似している成分が含まれています。猫にとって人間の足の臭いは、単なる「嫌な汚れの臭い」ではなく、「強い興味を惹きつけるフェロモン様物質の宝庫」として知覚されているのです。
また、猫の興奮物質として知られる「またたび」に対しても口元を緩める仕草を見せることがありますが、マタタビの主成分(ネペタラクトール等)は主に通常の主嗅覚系を介して脳内報酬系を刺激するのに対し、靴下や体臭に対する反応はヤコブソン器官を介した純粋な情報解析行動であるという違いがあります。