現代の姿勢研究が解き明かした理論の多くは、20世紀初頭の先駆者たちが直感と実践を通じて体系化した知見と驚くほど合致している。その代表例が、発声障害の克服から独自の身体調整法を編み出したフレデリック・マサイアス・アレクサンダーだ。彼の提唱したアレクサンダー・テクニークは、「首の自由を取り戻し、頭部と脊椎の自然な関係を再構築する」ことで不要な筋緊張を手放すアプローチであり、現代のパフォーマーやビジネスリーダーにも多大な影響を与え続けている。
一方、幼少期の虚弱体質を克服するために独自の運動療法「コントロロジー」を創始したジョセフ・ピラティスは、身体の中心軸(パワーハウス)と呼吸の連動を説いた。彼のメソッドは今や世界的なフィットネスの標準となり、骨盤と脊柱のアライメントを再教育する確固たる手段として定着している。100年以上の時を経て、現代科学は彼らの洞察が極めて理にかなった身体運用であったことを次々と証明している。