スプーンを口に運んだ瞬間、誰もがその重厚感に息をのむ。近年のスパイスカレーブームで主流となったサラサラとしたスープ状のカレーとは対極をなす、伝統的な欧風スタイルの極み。時間をかけてじっくりと炒め抜いた玉ねぎの甘みと、肉の旨味が凝縮されたルウは、どこか懐かしくも家庭のキッチンでは絶対に再現できない圧倒的な深みを湛えている。
そして、初めて暖簾をくぐる者を呆然とさせるのが「ご飯の量」だ。何も指定せずに注文すると、普通盛りで約550グラムという大盛以上のライスが当然のような顔をして運ばれてくる。一般的なカレー店の普通盛りが約200〜250グラムであることを考えれば、その規格外さがよくわかるだろう。創業当時、お腹を空かせた学生や若者に腹いっぱい食べてほしいという店主の温かい想いが、2026年の今もそのまま受け継がれているのだ。