チワワが健康寿命を全うするうえで最大の障壁となるのが、循環器系の疾患です。小型犬の宿命とも言えるチワワの僧帽弁閉鎖不全症は、左心房と左心室の間にある弁(僧帽弁)が加齢とともに変性し、血液が逆流してしまう心臓病です。10歳以上の小型犬の過半数が罹患しているとも言われ、初期段階では目立った症状が出ません。
病気が進行すると「夜間や早朝にカッカッと乾いた咳をする」「散歩ですぐに座り込む」「呼吸が浅く速くなる」といった症状が現れます。重症化して肺水腫を引き起こすと命に関わるため、初期段階(ステージB1〜B2)で聴診によって心雑音を発見し、血管拡張薬や強心薬(ピモベンダン等)の投薬を開始することが寿命の延伸に決定的な役割を果たします。
日々の暮らしの中で飼い主が気づくべきチワワの老化サインと行動変化には、以下のような兆候があります。
・被毛と皮膚の変化:口周りや眉毛の毛が白くなる、毛艶が失われ飾り毛のボリュームが落ちる。
・視力と聴力の低下:目の中心部が白く濁る(白内障や核硬化症)、名前を呼んでも反応が鈍くなる。
・運動機能の衰退:段差を嫌がる、歩くスピードが落ちる、後ろ足に力が入らなくなる。
・睡眠と排泄のリズム:日中の睡眠時間が大幅に増える、トイレの失敗が増える、夜鳴きや徘徊が見られる。
「歳をとったから仕方がない」と見過ごさず、行動の変化を感じた段階でかかりつけ医に相談することが重度疾患の早期発見につながります。