華厳の滝、那智の滝と並び、悠久の時を刻む日本三名瀑の一つとして名高いこの滝は、平成27年に国指定名勝へと指定され、その文化的・自然美的な価値を不動のものにした。落差120メートル、幅73メートルという巨大なスケール感を誇る断崖は、かつて海底火山だった時代の火山角礫岩層が気の遠くなるような年月をかけて浸食されたことで生まれた地質学的遺産でもある。
古来、多くの文人墨客がこの地に足を運んだ。平安末期の歌僧・西行法師は、この滝を前に「花も含めて四季に一度ずつ訪れなければ真の風情は味わえない」と絶賛し、それが「四度の滝」という別名の由来になったと伝えられている。また、江戸時代には水戸藩主・徳川光圀(水戸黄門)もこの地を訪れ、その雄大な水流に感銘を受けて歌を詠んだ。歴史の巨星たちが立ち止まり、畏敬の念を抱いた大自然のモニュメントは、今なお色褪せない生命力を放ち続けている。