イケメンアニメという呼称には、いまだに「女性オタクだけが消費する甘ったるい恋愛モノ」「作画やシナリオは二の次で、顔さえ良ければ売れるジャンル」といった根強い誤解や偏見がつきまといます。しかし、これは実態から大きく乖離した前時代的な思い込みに過ぎません。
第一の誤解は、「男性視聴者には楽しめない」という点です。例えば文豪ストレイドッグスや『ハイキュー!!』、『呪術廻戦』などは、緻密なバトルロジックや熱い少年漫画的カタルシスを備えており、視聴者の男女比率はほぼ半々に達しています。アクション作画や世界観設定のクオリティはアニメ業界トップクラスであり、美男子の存在は作品の魅力を構成する一要素に過ぎません。
第二の誤解は、「恋愛要素がメインである」という思い込みです。実際には、アイドリッシュセブンや刀剣乱舞のように、恋愛要素を一切排除し、プロフェッショナリズムや歴史の悲哀、組織論を描く作品こそが長期的な覇権を握っています。むしろ、小手先の恋愛描写に頼らない骨太なドラマ性があるからこそ、大人の鑑賞に耐えうる傑作として語り継がれているのです。