全線8両化と新横浜直通の定着によって利便性が極大化した東急目黒線ですが、現場における運行状況と混雑の実態はどうなっているのか。国土交通省の混雑率調査データおよび通勤時間帯の現地観察取材から、その実態が浮き彫りになりました。
朝ラッシュピーク時(午前7時30分〜8時30分)における目黒線の最混雑区間は、長年「不動前 → 目黒」です。相鉄線や日吉方面からの流入に加え、武蔵小山周辺のタワーマンション群をはじめとする大規模住宅供給により、上り列車の乗車率は高水準を維持しています。8両化以前は混雑率170%前後に達していましたが、編成両数の増加と時差出勤の定着により、現在は約130%〜140%台で推移しており、スマートフォンを操作する程度の空間的余裕は確保されています。
しかし、利用者の生の声(SNSやコミュニティの通勤レポート)を検証すると、数字には表れにくい現場のストレス要因が存在します。
「相鉄線内での踏切安全確認やJR線直通側のトラブルが原因で、目黒線直通列車にも遅延が波及することが増えた」
「日吉駅始発の各駅停車を狙って並んでいたが、直通列車主体のダイヤになったため、座って通勤できる列車の選択肢が以前よりシビアになった」
日吉駅は従来、目黒線の始発・終着駅として「確実に座れる駅」というアドバンテージを持っていました。しかし現在、多くの列車が東急新横浜線から直通してくるため、日吉駅入線時点ですでに座席が埋まっているケースが増加しています。確実に着席通勤を狙う層は、早朝時間帯に設定されている日吉駅始発列車の時刻を正確に把握して並ぶという行動パターンへのシフトを余儀なくされています。