手作りの生キャラメルが歯に付くほど固くなったり、カチカチの飴状になったりする最大の原因は、加熱温度のオーバーにある。鍋の中の糖液は100度を超えると急速に水分が蒸発し、115度を超えるとハードキャンディの領域へと突入する。ほんの数十秒の加熱しすぎが、食感を決定的に左右してしまうのだ。
第2の原因は、混ぜすぎによる砂糖の結晶化である。加熱中に鍋の中をスプーンで激しくかき混ぜると、鍋肌に付着したグラニュー糖の微粒子が刺激となり、液全体に結晶化が連鎖する。その結果、なめらかな口どけではなく、シャリシャリとした砂っぽい固さが生まれる。
そして第3の要因が、脂質と水分のバランスだ。水分が飛びすぎた状態で冷却されると、糖分が凝固して柔軟性を失う。日本洋菓子協会の講習会でも指摘される通り、糖度と油脂の乳化状態を正しく維持することが、ソフトな食感を保つ絶対条件なのである。