旭川の食文化を語る上で、名峰・大雪山系がもたらす伏流水の存在は外せない。伝統的な醤油ラーメンの深みのあるスープも、この豊かな水があってこそ育まれた芸術だ。
しかし今、食の波はさらに広がりを見せている。地元の若手シェフたちが中心となり、上川盆地で収穫される有機野菜や地元産のブランド豚を主役に据えた「ローカルガストロノミー」が花開いているのだ。昭和の面影を残す小路に突如現れる完全予約制のレストランや、米農家が直営するクラフトビール醸造所。伝統の味を守りつつも、次世代の感性が惜しみなく注ぎ込まれた一皿は、食通たちの舌を唸らせ続けている。