オフィスに高級オフィスチェアを並べ、年間数万円分のポイントを配るカフェテリアプランを導入する。そうした表面的な厚遇で人材の流出を食い止めようとした企業が、次々と手痛いしっぺ返しを食らっている。現場が求めているのは、使い道の限られたクーポン券ではなく、日々の業務で擦り切れないためのリソース配分と透明性の高い評価基準だ。
深夜残業が常態化し、心理的安全性が皆無の現場にいくらリラクゼーションスペースを作っても、離職届の提出を防ぐことはできない。表層的な施策に終始する組織は、社員の「時間」と「精神力」を買い叩いている現実から目を背けているに過ぎない。