2016年初頭、日本中のタイムラインを埋め尽くしたのは、ある人気タレントと新進気鋭のミュージシャンによる「禁断の恋」のニュースだった。連日のように報じられるLINEのやり取り、記者会見での涙、そして世論の容赦ないバッシング。あの狂騒は、SNSが急速に社会のインフラへと成長する過渡期における、最初の「集団リンチ」の縮図でもあった。
当事者であった川谷絵音に対する風当たりは、想像を絶するものだった。世間は彼を「悪者」に仕立て上げ、その音楽性すらも否定しようとした。しかし、そのバッシングの嵐の裏で、静かに進められていたのがプライベートの清算だった。