彼女の名を決定づけた『フラガール』で見せた迫真の演技は、日本アカデミー賞をはじめとする数々の映画賞を総なめにした。常磐炭鉱の町で情熱を燃やすヒロインの葛藤と成長を描いたこのヒューマンドラマで、彼女は力強い躍動感を見せつけ、観客の感情を揺さぶった。
さらに時は流れ、黒沢清監督の『スパイの妻』で見せた真に迫る狂気と信念の演技は、国内外で絶賛を浴びる。太平洋戦争前夜の混乱期を背景に、愛と疑念の狭間で揺れる女性を気高く演じきった姿は、成熟した大人の女優としての圧巻の金字塔だった。激動の時代を生き抜く女性の深遠な美しさを、これほど重厚に表現できる役者はほかにいない。