破天荒なロックンローラー・内田裕也との特異な夫婦関係、そして娘であるエッセイスト・内田也哉子との濃密な対話。家族という一筋縄ではいかない共同体をどう生き抜いたのかを綴ったエッセイ・随筆のジャンルでも、彼女の視点は唯一無二の光を放つ。
母を見送り、残された言葉を咀嚼しながら自身の言葉で語り直す内田也哉子の文章からは、樹木希林という強烈な個性の「母としての素顔」が浮かび上がる。決して常識的ではない。けれど誰よりも深く向き合っていた。家族の形が多様化する今、彼女たちが残した率直な記録は、「普通」という呪縛に苦しむ多くの家庭に新鮮な救いを与えている。