ジャニーズ事務所のメインボーカルとして、圧倒的な歌唱力を誇っていた渋谷すばる。しかし、彼にとって「アイドル」という肩書きは、時に表現者としての羽をもぎ取る重荷になっていたのかもしれない。バラエティ番組でのコミカルなキャラクターと、ステージ上での魂を削るようなシャウト。そのギャップこそが魅力だったが、本人の内面では「自分は本当にやりたい音楽ができているのか」という疑問が膨らみ続けていたとされる。
30代後半という年齢も、彼の背中を押した。人生の折り返し地点が見え始める時期に、このままレールの上を走り続けるのか、それともすべてを捨てて荒野に出るのか。彼は後者を選んだ。