住まいのトレンドが激変するなか、住宅リフォーム業界を中心に「玄関空間の再構築」が熱い視線を浴びている。不動産情報サイトのSUUMOなどが発表する検索キーワードデータでも、和の要素を現代風に取り入れたリノベーション事例への関心が急上昇中だ。その背景には、超高齢社会が本格化する中で「一見して介護用に見えない洗練されたバリアフリー住宅」を求める施主層の増加がある。
国土交通省が推進する住生活基本計画においても、住宅内の段差解消と安全性確保は重点課題に掲げられている。しかし、無機質な手すりやスロープを唐突に配置すると、住まい全体のデザイン性が損なわれがちだ。そこで脚光を浴びたのが式台である。玄関の落差を2段階に分割することで、膝や腰にかかる負担を自然に半減させる効果がある。伝統意匠でありながら実生活の課題をスマートに解決する優れものとして、感度の高い施主たちの心を捉えている。