世界最高峰の筋肉の祭典、ミスター・オリンピア(Mr. Olympia)。世界中から選りすぐりのエリートだけが集うそのステージで、寺島遼はIFBB Pro Leagueのトップランカーとして堂々たる存在感を示してきた。重厚なバルクを前面に押し出すボディビルディングとは異なり、メンズフィジークで問われるのは優雅さと均整美、そして洗練されたアウトラインだ。
欧米勢の骨太な骨格に対し、寺島は筋肉のセパレーション(筋繊維の境目)の深さと、皮膚の薄さ極まる質感で対抗する。審査員たちの目が肥える中、無駄な贅肉を削ぎ落とした彫刻のようなバックポーズは、海外のコメンテーターからも絶賛を浴びた。サイズ主義に傾倒しかけたシーンに、プロポーションの美学を再認識させた功績は極めて大きい。