制作陣の豪華さも群を抜いている。メガホンを取るのは、映画『狩りの時間』や『パズル』で圧倒的な緊迫感を描き出し、若者の孤独と焦燥感を表現することに長けたユン・ソンヒョン監督だ。巧みなカメラワークと陰影の効いた映像美が、崩壊していくソウルの街並みを不気味かつ美しく描き出す。
さらに脚本を手掛けたのは、世界的に記録的な大ヒットとなった映画『パラサイト 半地下の家族』の共同脚本家ハン・ジウォン。社会の歪みや人間心理の機微を鋭く穿つ台詞回しは本作でも健在で、単なる娯楽作にとどまらない深い余韻と社会的メッセージを物語の底流に仕込んでいる。