日本のビール市場を見渡すと、アサヒの「スーパードライ」も、サッポロの「黒ラベル」も、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」も、そのほとんどのパッケージに「生ビール(非熱処理)」と表記されている。なぜこれが可能なのか。
その理由は、1970年代以降に飛躍的に進歩した「ろ過技術」にある。ビール酵母や雑菌を熱で殺す代わりに、極めて目の細かいフィルターで物理的に取り除く技術が確立されたのだ。これにより、熱を加えることなく、酵母の活動を止めて長期保存が可能になった。結果として、現代の日本の大手ビールメーカーが製造するビールの主流は、缶であっても瓶であっても、そのほとんどが「生ビール」という規格を満たすことになった。