里芋の収穫作業において最も落胆する瞬間は、力任せにシャベルを突き立てて丸々と太った子芋を真っ二つに切断してしまうことです。土中の芋の広がりをイメージしながら、適切な道具と正しい手順でアプローチする必要があります。
使用する道具は、先端が尖った剣先スコップ(シャベル)または頑丈な4本爪の万能備中鍬(フォーク)が最適です。作業は土が適度に乾燥している「晴天が2〜3日続いた日」を選びます。湿った重い土の状態で作業すると、芋に泥が大量に付着して重労働になるだけでなく、泥落としの際に皮を傷つけるリスクが高まります。
掘り出しの具体的な手順は以下の3ステップです。
ステップ1:地上部の茎を刈り取る
作業性を高めるため、地面から10〜15cmほどの高さを残して太い茎(葉柄)をノコギリ鎌などで切り落とします。この残した茎の基部が、掘り上げ時に株全体を持ち上げるための重要な取っ手となります。
ステップ2:外周360度にスコップを入れてテコの原理で浮かす
株元から必ず30〜40cm以上離れた位置にスコップを垂直に深く差し込みます。四方からスコップを入れて周囲の根を切りながら、テコの原理を使って土を徐々に緩めていきます。一方向から無理に持ち上げようとすると、中央の親芋から子芋がもぎ取れて土中に取り残されてしまいます。
ステップ3:株元を抱え込むように引き抜く
周囲の土が十分に緩んだら、残しておいた茎の基部を両手でしっかり握り、真上に向かってゆっくりと引き抜きます。大きな塊ごと「ゴロリ」と持ち上がったら、手や木べらで外側の余分な土を軽く払い落とします。この際、地面に叩きつけて土を落とす行為は厳禁です。微細な打撲傷から腐敗菌が入り込み、保存期間が極端に短くなります。