大阪における地下格闘技の起源は1990年代後半に遡る。当時、総合格闘技ブームが日本を席巻していた。PRIDEやPANCRASEといったメジャー団体が隆盛を極める一方で、プロになれなかった選手たちの受け皿として、非公認のイベントが生まれ始めた。
大阪という土地柄も無関係ではない。
古くから商人の街として栄えたこの都市には、表と裏、光と影が共存する独特の文化がある。戦後の闇市から続く地下経済のネットワークが、こうしたアンダーグラウンドな活動を可能にしてきた側面は否定できない。西成、飛田新地、北新地といった地域には、今も昭和の残滓が色濃く残っている。
2000年代に入ると、インターネットの普及が地下格闘技の情報拡散を加速させた。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の格闘技板では、「大阪の地下試合」に関するスレッドが乱立。参加希望者と主催者をつなぐプラットフォームとして機能し始めた。
暴力団との関係性と資金源
地下格闘技と暴力団組織との関係は複雑だ。すべてのイベントが反社会的勢力と直結しているわけではないが、一部では賭博の対象となっており、その胴元として組織が関与しているケースが報告されている。警察関係者の証言によれば、「完全にクリーンな地下格闘技など存在しない」というのが現実だという。
賭博が絡む場合、一試合あたりの賭け金総額は数百万円に達することもある。主催者側は参加費と賭博の手数料で利益を得る構造だ。選手への賞金は比較的少額に抑えられ、大半は運営側と胴元が吸い上げる仕組みになっている。