毎年のようにノーベル化学賞の発表時期が近づくと、世界中のメディアがその動向に固唾をのむ。しかし、当の研究者たちの視線は賞の栄誉よりも、はるか先の未来に向けられている。「気体を自由にコントロールする」という発想の転換は、人類が産業革命以来抱え続けてきた環境負荷という負の遺産を清算するキーテクノロジーとなりつつある。
材料化学がもたらす革新は地味に見えるかもしれない。だが、世界を支えているのはいつだって、目に見えない微細な分子のイノベーションだ。100年後の未来人が21世紀を振り返ったとき、地球を救った決定的なターニングポイントとして、この技術の名が刻まれていることは間違いない。 (出典: 北川 進(Yahoo!ニュース))