ここ数年、日本のエスニックシーンを牽引しているのは、日本人向けにアレンジされていない「現地そのままの味」を意味する「ガチ」カルチャーです。かつて新大久保や池袋がその中心地でしたが、家賃の高騰や店舗の飽和に伴い、実力派のシェフたちが次なる新天地として選んだのが足立区の綾瀬でした。
綾瀬はもともと個人経営の飲食店が多く、新しい食文化を受け入れる土壌があります。そこにタイの地方都市からやってきた凄腕シェフたちが移住し、独自のコミュニティを形成したことがブームの引き金となりました。今や、わざわざタイに行かなくても、綾瀬駅に降り立つだけでバンコクの路地裏に迷い込んだかのような錯覚を味わえます。