開花時期が終わると、花が落ちた後に直径2〜3cmほどの緑色の果実がぶら下がることがあります。外見は未熟なプチトマトそのもので、知らずに見ると「珍しい新種の野菜ができた」と勘違いしがちです。
このトマトに似た実について、農林水産省や公的衛生機関は一貫して強い注意喚起を行っています。植物分類学上、トマト(Solanum lycopersicum)とジャガイモ(Solanum tuberosum)は極めて近い近縁種であるため、受粉に成功すれば当然ながら果実を形成します。しかし、果肉を食用として品種改良されたトマトとは異なり、ジャガイモの地上部にできる果実には植物性自然毒である「グリコアルカロイド(α-ソラニンおよびα-チャコニン)」が極めて高濃度に蓄積されています。
ソラニンの危険性は医学的にも広く知られており、経口摂取すると以下のような急性中毒症状を引き起こします。
- 主な中毒症状:激しい吐き気、嘔吐、下痢、激しい腹痛、頭痛、めまい、喉のいがらっぽさ。
- 重症化時のリスク:血圧降下、呼吸困難、意識混濁。小児や高齢者では微量の摂取でも重篤な健康被害に至る。
イモ部分の緑化した皮や芽に含まれる毒素よりも、地上部に実るジャガイモの実の毒性のほうが濃度が高いケースが珍しくありません。家庭菜園で子供がミニトマトと間違えて口に入れてしまう事故を防ぐためにも、果実が膨らみ始めたのを確認した段階で、ハサミを用いて速やかに摘果・廃棄することが鉄則です。