もう一つの典型的な自然退職事由が、無断欠勤や行方不明による退職手続きです。突然出社しなくなり、電話や郵便、緊急連絡先を通じても一切応答がない従業員に対し、会社は無期限に在籍を認めるわけにはいきません。
多くの就業規則では「正当な理由のない無断欠勤が連続14日(または30日)以上に及び、連絡が取れないときは自然退職とする」といった当然退職規定が盛り込まれています。しかし、会社側が十分な安否確認を尽くさず、性急に自然退職として処理することは危険を伴います。
本人が事故に巻き込まれて意識不明であったり、重度の精神疾患により自力で連絡が取れない心理状態に陥っていたりした場合、後から「正当な理由のない無断欠勤」ではなかったと立証され、退職処理が覆る実例もあります。会社が実効性のある連絡手段を尽くしたという客観的ログを残しているかどうかが、実務上の防衛ラインとなります。