宇宙通信の世界で圧倒的なシェアナンバーワンを誇るのが、イーロン・マスク氏率いるSpaceXの「Starlink(スターリンク)」だ。KDDI(au)がStarlinkとの連携を先行して発表したことで注目を集めたが、ドコモがアプローチするAST SpaceMobile方式との間には技術的・運用上の明確な違いが存在する。
Starlinkは元来、地上に設置した専用のパラボラアンテナ(VHF/UHF帯やKa/Ku帯を受信するターミナル)を介してWi-Fi環境を作る方式が主力であった。近年ではSpaceXもスマホ直接通信「Direct to Cell」の開発を急ピッチで進めているが、AST SpaceMobileは当初より「一般的なスマホとの直接音声・データ通信」に特化した巨大低軌道アンテナの設計・製造を行ってきた経緯がある。
また、衛星の打ち上げ自体においても興味深い構造が見られる。AST SpaceMobileの商用衛星BlueBirdは、ライバルでもあるSpaceXのFalcon 9ロケットによって宇宙空間へと運ばれている。宇宙ビジネスの最前線では、ライバル関係と協力関係が複雑に交錯しているのだ。