一見するとブルーベリーや青いミニトマトのような果実に見えるリュウノヒゲの実。しかし、植物学の分類においてこれは「果実」ではありません。正真正銘の「種子」そのものです。
通常の被子植物では、受粉後に子房(しぼう)が発達して果肉(果皮)となり、その内部に種子が作られます。ところがリュウノヒゲの場合、花が終わると早い段階で子房の壁が破れて脱落してしまいます。取り残された未熟な種子はむき出しのまま成長を続け、種子の一番外側を覆う「外種皮(がいしゅひ)」自体が肉質化し、青く光沢を持った色へと変化していくのです。
青い光沢を生み出す構造
この独特なコバルトブルーは、単なる色素の存在だけではなく、光の物理的な反射や構造に起因しています。表面の薄い細胞層が特定の波長の光を強く反射することで、吸い込まれるような光沢感が生まれます。自然界において「真の青色」を持つ果実や種子は非常に珍しく、リュウノヒゲが誇る最大の美観的価値といえます。